新着情報

カテゴリー:
コラム

眼・体・口 フレイルの話

最近、メディアで『アイフレイル』の話に接することはありませんか?

AC JAPAN(以前の公共広告機構)の今年のキャンペーンに『アイフレイル』が選ばれたとのこと。

(参照サイトはこちらからどうぞ。)

そこで今回はそもそもの『フレイル』のことと、『オーラルフレイル』のこと、

加えて目と口で交じり合うことについてご紹介いたします。


◎フレイル

「加齢に伴い身体の様々な機能が低下することによって、健康障害に陥りやすい状態」を指す概念です。

健康と要介護状態との中間の段階として位置づけられています。

身体的のみならず精神・心理的や社会的など多面的な問題を抱えやすく、自立障害を招きやすい状態です。

このフレイルのきっかけになるのが『オーラルフレイル』であるとされています。


◎オーラルフレイル

口の機能の健常な状態(いわゆる『健口』)と『口の機能低下』との間にある状態。

歯の喪失や食べること,話すことに代表されるさまざまな機能の『軽微な衰え』が重複し,

口の機能低下の危険性が増加しているが,改善も可能な状態とされています。

※出典:オーラルフレイル 3学会合同ステートメント(和文または英文)

オーラルフレイルを放っておくと、フレイルやサルコペニア(筋肉量低下)、それに低栄養につながるとされます。

また、オーラルフレイル状態の方は健常な方と比べて、

  • 身体的フレイル:2.41倍
  • サルコペニア(筋肉量低下):2.13倍
  • 要介護認定:2.35倍
  • 総死亡リスク:2.09倍

それぞれリスクが高くなると言われています。

そんなオーラルフレイルは自分でチェックすることができるんです。

5項目のチェックでいくつ当てはまるか、自分でやってみてください。

  1. 自分の歯(義歯やインプラントを除く)は20本未満ですか?
  2. 半年前と比べて固いもの(たくあんなど)は食べにくくなりましたか?
  3. お茶や汁物でむせることはありますか?
  4. 口の渇きは気になりますか?
  5. 普段の会話で言葉をはっきり発音できないことはありますか?

⇒5つのチェックのうち、2つ以上当てはまる場合『オーラルフレイル』となります。

オーラルフレイルであると気づいた、または疑われる場合、口腔機能精密検査をおすすめします。

当院では50歳以上の方を対象に、症状に応じて口腔機能精密検査を実施しています。

検査の結果、「口腔機能低下症」と診断された場合、口腔機能向上のための訓練や指導を

歯周病治療や義歯治療と並行しておこなっていきます。


◎アイフレイル:加齢による目の機能の低下(以下日本眼科啓発会議サイトより)

『加齢に伴って眼が衰えてきたうえに、様々な外的ストレスが加わることによって目の機能が低下した状態、また、そのリスクが高い状態』とのことです。

日本眼科啓発会議サイトにはアイフレイルのチェックリストが掲載されています。

健康な口とともに健康な目も長持ちさせたいですね。


◎目と口の交じり合う関係

眼の病気と口の病気で交じり合う、つまり共通してでてくる疾患があります。

それは糖尿病の随伴症状である点です。出典:日本糖尿病協会サイトから

糖尿病にまつわる主な症状は【しめじ】それぞれの頭文字で表されるもので、

【し】・・・神経障害

【め】・・・目の病気(網膜症)

【じ】・・・腎障害

このほか、脳梗塞や動脈硬化に加え、歯周病も挙げられています。

現在、当院では糖尿病で内科等に通院されている患者さんに対し、必要に応じて

内科の医師に対し照会状を作製しています。患者さんの健康に寄与する目的で、積極的に医科歯科連携を推進しています。

また糖尿病治療中の通院患者においては「糖尿病連携手帳」の持参をお願いしています。

当院では連携手帳の「歯科」の部分を記入し、薬剤師を含めた医歯薬連携をすすめているところです。


今回は「フレイル」という言葉をキーワードに、健康長寿にかかわる情報をお届けしました。

ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。

========

神奈川県横須賀市若松町2-3板庄ビル2F
横須賀中央駅 徒歩 30秒
046-826-3339
https://www.chie-dental.com/

 

ページトップへ