【訪問診療１５年】コラム５～訪問診療の費用＜施設編＞～
表題の通り、２００７年から始まった当院での歯科訪問診療は、
今年で１５年を迎えました。
ここまで続けてこれたのは
ひとえに支援していただいている皆様のおかげと思っております。
今回は実際に入院中ならびに入所中に歯科訪問診療を受けた時にかかる費用について
ご説明します。
訪問診療では、原則訪問先に伺った初回に
患者さん又は家族等の関係者への同意の上で
診療を開始し、進めていきます。
このコラムでは、病院や特別養護老人ホームなどの介護保険施設にて
診療をおこなう場合の費用体系と具体例についてご説明いたします。
★ご自宅又は有料老人ホームなどの居宅系施設にて
診療をおこなう場合は費用体系が異なるため、
連載コラムその４をご覧ください。
診療へ伺うのにあたり、費用として掛かるものは
大きく３つあります。
①診療費（医療保険内）②指導費（医療保険内）③交通費です。
①診療費
これは国で定められている診療報酬の体系に沿って
適宜算定され、患者さんの自己負担割合（１～３割）に応じて
ご負担いただくものです。重度障害者医療証をお持ちの方は
この部分の負担はかからなくなります。
②指導費
これも診療報酬の中にくみこまれています。
自宅での診療とは異なり、介護保険は利用できない事になっています。
負担額については①診療費と同じ割合になります。
①と同様、重度障害者医療証をお持ちの方は自己負担はありません。
③交通費
これは訪問診療車で伺う際にかかる経費（ガソリン代や
駐車場代）にあたるもので、法令にて患者さんに
ご負担いただく事になっておりますが、病院や施設には
概ね駐車場を備えており、この部分の負担は現在いただいていません。
ここからは具体的な例を示していきます。（コラムその４と同じ設定です）
【事例】
・特養施設で療養中の方
・上顎総入れ歯を調整
・義歯管理について歯科医師ならびに歯科衛生士から
指導を受けた場合
・医療保険の自己負担割合が１割である
①診療費ですが、同じ日に１人の方を診る場合と複数診る場合で
基本報酬額が変わってきますが、ここでは１人の場合で
ご説明すると、以下の項目を算定することになります。
・歯科訪問診療料１：１１００点
・歯科診療急性対応加算：１１５点
・総義歯の調整：１２４点
上の４項目を足すと１３３９点となります。
１点＝１０円の計算となり、その１割負担となれば、
自己負担は１３３９円。・・・（Ａ）
②指導費も医療保険の中の項目で算定します。
歯科疾患在宅療養管理料１：３４０点
文書提供加算：１０点
訪問歯科衛生指導料１人の場合（※）：３６０点となります。
両方をあわせると、７１０点となります。
１点＝１０円となり、その１割負担となると、
自己負担は７１０円となります。・・・（Ｂ）
（※）同じ建物で同じ月に１人指導した場合
③交通費はかからないため
今回の症例での負担額は（Ａ）と（Ｂ）を合わせて
２０４９円ですが、一の位は四捨五入されるので
２０５０円をお支払いただくことになります。
上記に示す費用は２０２２年４月現在のもので、１つの目安です。
またあくまでも一例ですので、処置内容により負担額が変わります。
今後の診療報酬改定ならびに介護報酬改定により
料金が異なる場合があります。ご了承ください。
※生活保護の方など自己負担が軽減される場合がございます。
詳しくは診療時にご相談ください。
なお当院では患者さんからの希望がない限り、医療保険内にて
診療をおこないます。
========
神奈川県横須賀市若松町2-3板庄ビル2F
横須賀中央駅 徒歩 30秒
046-826-3339
https://www.chie-dental.com/
